カテゴリ:絵本・児童書( 12 )

『こわい! 青玉』雑感

『こわい! 青玉』掲載作の感想をいくつか。

『ブログにひそむ悪霊』(新村千江作)を読んで思ったのが、ネットを題材にしたホラーが子どもを主人公に成立するんだ…ということ。
子どもへのパソコン文化の浸透ぶりを感じました。
ブログから生まれる恐怖、まさに現代ホラー。

『猿の手』を思わせる『小びんの悪魔』(脇谷怜生弥作)。
『猿の手』は扉の向こうの存在を見せずに終わりますが、この作品はそれを見せつけます。見えない恐怖と見える恐怖、どっちもこわい…。

『道』(小泉晶子作)は音と感覚の恐怖。シンプルさが気持ちよかったです。

力作揃いの『青玉』、令丈ヒロ子選の『赤玉』も読みたくなりました。
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by yagikuro-3 | 2006-07-16 23:08 | 絵本・児童書

『こわい! 青玉』

こわい!青玉
石崎 洋司 藤田 香 たなか しんすけ / 講談社

紀伊国屋ホールで『売春捜査官』を鑑賞する前に、児童書コーナーに立ち寄りました。
友人のりなこさん(まめだぬきさん)の作品が掲載された児童書『こわい! 青玉』が今月17日ごろに発売されるとのことだったので(りなこさんブログ7/13記事後半部記載)、それを探すのが目的。

講談社の児童向け文庫=青い鳥文庫ということで、その平積みをチェックしましたが、ありません。
「やっぱり明日以降に並ぶのかしら…」と思いつつ、あきらめ悪く平積み台をじーっと見つめていたら、「あったー!」。
どうやらこわい話のアンソロジーはKK文庫という別ブランドから出しているよう。青い鳥文庫から少し離れたところに置かれていました。
「同じ講談社なんだから近くに置いてよぉ…」とぼやきつつも、無事ゲット! 目次を見ると、りなこさんの名前が載ってます♪
帰りの電車の中で早速読みました。

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by yagikuro-3 | 2006-07-16 22:10 | 絵本・児童書

新訳ラッシュ『星の王子さま』

箱根の星の王子さまミュージアムに行ったことやミュージカルを観たことで、『星の王子さま』がマイブームになりつつあります。

おりしも『星の王子さま』の日本での著作権保護期間が切れたための新訳ラッシュ。
今週発売の『Yomiuri Weekly』にもその記事が掲載されていました。

今月までに新訳版を出版したのは4社(中央公論新社・論創社・宝島社・集英社)。
これからの出版を控えているところも数社あり、「10社ぐらいから出るのではないか」という勢いだそうです。

『Yomiuri Weekly』に各社の翻訳比較表が掲載されていましたが、ほんの数行のみを抜粋しての比較なので、特徴がつかみにくい…。
とりあえず手ごろな値段の集英社の文庫版(池澤夏樹訳)を買ってみようかなと思っています。

初訳の岩波書店版(内藤濯訳)が、家にあるはずなのですが見つかりません(T◇T)。
新訳版の前に、読んでおこうと思ったのに……。
買いなおすことになりそうです(とほほ)。
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by yagikuro-3 | 2005-08-30 19:24 | 絵本・児童書

“ちょっぴりこわいお話” 読み聞かせの会@図書館

こんたのおつかい
田中 友佳子 / 徳間書店

夏ということもあって、今回は“ちょっぴりこわいお話”を2本読みました。

1本目は『こんたのおつかい』
おつかいを頼まれた、こぎつねのこんた。お店に行く途中、お母さんに「だめ」と言われていた〈もりのみち〉をどうしても通りたくなって――、というストーリー。
次から次に現れる天狗や鬼などの妖怪の絵がド迫力! ページを開いたときの視覚効果が満点で、読み聞かせにぴったりのお話です。怯えるこんたがかわいい♪
ハラハラドキドキさせつつも、どこかユーモラスでラストもほのぼの。きいていた子どもたちも、ホッとしてました。

2本目は『さらやしきのおきく』(桂文我:脚本、久住卓也:絵)。
『番町皿屋敷』の落語バージョンを紙芝居にしたものです。
おきくの幽霊が、自分を陥れた代官をたたり殺すまでは、子どもたちも神妙な表情で話をきいていましたが、名物幽霊としてすっかり人気者になったおきくが、9枚までしか数えないはずの皿を18枚数えて、見物客に「明日の晩はお休みしますの」というオチに、ウケていました。
元が落語なだけあって、コミカルなノリの紙芝居です。
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by yagikuro-3 | 2005-08-24 20:45 | 絵本・児童書

絵本論講座Ⅱ 西巻茅子さん

絵本論講座の2日目午後は、絵本作家の西巻茅子さんが講師でした。
『わたしのワンピース』『はけたよはけたよ』など可愛らしい絵本を数多く作られている西巻さん、ご本人もふんわりとしたキャラクターかと思いきや、理論派のかっこいい方でした。

「絵(を描く)というのは決して特殊な能力ではなく、誰もが発信でき、誰もが受け止められるものなんです」
芸大卒業後、絵画教室で子どもに絵を教えていたときに、なんのわだかまりも緊張もなく、のびやかに絵をかく子どもの姿に、衝撃を受けたそうです。

西巻さんの代表作『わたしのワンピース』は、ウサギの女の子がお花畑のなかを歩いたら、真っ白なワンピースがきれいな花模様になった、という風にその場の状況によってワンピースの模様が次々と変化していくのですが、出版社の人からは「花畑を通っただけで、なんで服が花模様になるのかがわからない。その理由(たとえば心から花を愛していたからとか)がわかるシーンを入れるように」と言われ、西巻さんは「絵本というのは絵でみていくもの。そんな文学的理由は付けたくない」と頑張られたそうです。
子どものころから大好きな絵本ですが、もしそんな理屈っぽい説明シーンがあったらちょっと…と思いました(笑)。

「作者が楽しんでいる気持ちを子どもに伝えよう」と、ご友人と一緒に数ヶ月かけて刺繍とアップリケで制作された3つ子の子ブタの絵本(『あいうえおはよう』『ぼくたち1ばんすきなもの』)、お互いにもてなし好きな性格で、ご馳走をつくりあったため、作品が完成したときは8キロも体重が増えてしまったそうです。「悔やんでもくやみきれない…」との言葉に、申し訳ないと思いつつ笑ってしまいました(絵本の出来は、とても気に入ってらっしゃるそうです)。

「絵本は紙とインクでできているわけではない。かいた人の生きている姿、それをつめこもうつめこもうと考え、つくられている」
あたたかなタッチの中に、西巻さんの思いや志が込められているのですね。
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by yagikuro-3 | 2005-08-20 21:52 | 絵本・児童書

絵本論講座Ⅰ 編集者の講義

夏休みを利用して、某美術館で開催されている絵本論講座に参加してます。
第一線で活躍されている講師の方々の話を聴き、休憩時間には美術館に展示されている絵本原画や絵本をせっせとみて、絵本の満願全席状態です。

初日の午後と二日目の午前は、大物絵本編集者二氏の講義。
両氏の語る言葉から、読者・作者・絵本への熱い思いがひしひしと伝わってきて、編集者のこうした情熱が名作絵本を生み出すのだなと感じました。

■ 『絵本の力』 松居 直氏
「絵本は大人が子どもによんでやるもの」というのが持論の松居氏、「絵本の言葉は作者のものではなく、読み手のものになる」と話され、絵本は読み手の存在がとても大きく、大人が子どもと共通体験をすることの大切さを熱心に語られました。
日本の絵巻物の素晴らしさや一緒に仕事された茂田井武氏のことなどに触れ、「絵を通じて、描いている人間の物語が伝わってくる」“ものがたる絵”の力について話されました。

■ 『科学絵本の楽しみ』 飯野 寿雄氏
岩波書店時代に作られた『どうぶつのあしがたずかん』のことを中心に、知識絵本の編集について話されました。
動物の足型をとるのがいかに大変だったかを、本当に楽しそうに語る飯野氏。作り手自身が楽しんで、それを子どもに伝えたいと思って本が作られているんだな~と、なんか感動してしまいました。
「同じテーマ(題材)で本をつくっても、作者によって違う内容になる。それは作者の視点・感動がみな異なるからだ」、知識絵本であっても、そこは読み物絵本となんら変わらないのですね。
講義の締めに、『せかいのひとびと』(ピーター・スピアー)を読まれ、「人間はこの地球に生かされていること、そのことにもっと謙虚になっていいのではないか、そのことが自分の仕事の元になっている」と話されました。

いい仕事をされる方は、信念をもってらっしゃいますね。
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by yagikuro-3 | 2005-08-11 23:35 | 絵本・児童書

『たまごにいちゃん』 読み聞かせの会@図書館

たまごにいちゃん
あきやま ただし / 鈴木出版

おかあさんにあたためてもらえて、みんなにもやさしくしてもらえるから、たまごのままでいたい“たまごにいちゃん”。弟はとっくにヒヨコになっているけど、そんなの全然かまわない。ずーっとたまごにこもったまま。
ある日、カラスに追われて石にぶつかってしまい――。


通常サイズのものでなく、大型絵本で読みました。
女の子が多かったこともあって、表紙に描かれたたまごにいちゃんのビジュアルに「かわい~♪」の声。
テンポよくすすむ話に、感情移入もしやすかったのか、たまごにヒビが入ってしまうところでは、「あっ…」と驚いていました。
長いことたまごにこもっていたにいちゃんは、たまごから出るとヒヨコではなく、もうにわとり。すかさずそのことに突っ込む子どもたち。

いつまでも居心地のいい赤ちゃんでいたい願望。でも成長するのもいいもんだよ、というあたたかいメッセージのあるお話でした。
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by yagikuro-3 | 2005-07-06 23:16 | 絵本・児童書

『わが子をひざにパパが読む絵本50選』(桑原 聡)

わが子をひざにパパが読む絵本50選
桑原 聡 / 産経新聞ニュースサービス

子育て中の新聞記者さんが書かれたもので解説が的確。児童書の専門家でない分、目線が読者に近いです。
全編カラーで紹介作品のイメージもつかみやすく、海外の名作絵本が手堅く押さえられていて使いやすい絵本ガイドです(^^)v
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by yagikuro-3 | 2005-07-02 00:43 | 絵本・児童書

絵本作家 長新太さん

25日、絵本作家の長新太さんがガンのため亡くなられました。
伸びやかなタッチとあたたかな色彩、ナンセンスで独特のユーモアがある長さんの作品。
先日の図書館の読み聞かせの会で『キャベツくん』を読んだ方がいたのですが、ページをめくる度に奇抜な展開が待ち受けていて、子どもたちは大喜び。長パワーをあらためて感じました。
ご冥福を心よりお祈りいたします。

キャベツくん
長 新太 / 文研出版
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by yagikuro-3 | 2005-06-26 21:15 | 絵本・児童書

『どうぶつえん物語』(あべ弘士、絵本館)

d0035596_6391115.jpg作者のあべ弘士さんは今話題の旭山動物園で20年間飼育係をされていました。
動物達との様々なエピソードが、温かくユーモラスに描かれています。
カワウソとのひるね、アザラシの脱走、ダチョウの夫婦喧嘩、ゾウの雪合戦の練習…。
伸びやかな動物の描写に、あべさんの観察力と愛を感じます。
動物園に長いこと行ってませんが、この本を読んだら行きたくなってしまいました。
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by yagikuro-3 | 2005-06-13 20:44 | 絵本・児童書