『チョコレートコスモス』 恩田 陸

チョコレートコスモス
恩田 陸 / 毎日新聞社
「まだそっち側に行ってはいけない。そっち側に行ったら、二度と引き返せない。」
幼い時から舞台に立ち、多大な人気と評価を手にしている若きベテラン・東響子は、奇妙な焦りと予感に揺れていた。伝説の映画プロデューサー・芹澤泰次郎が芝居を手がける。近々大々的なオーディションが行われるらしい。そんな噂を耳にしたからだった。
同じ頃、旗揚げもしていない無名の学生劇団に、ひとりの少女が入団した。舞台経験などひとつもない彼女だったが、その天才的な演技は、次第に周囲を圧倒してゆく。
稀代のストーリーテラー・恩田陸が描く、めくるめく情熱のドラマ。
(Amazonの紹介文より)
『ガラスの仮面』を彷彿させる、このあらすじ。
ずーっと読みたいと思っていたのですが、やっと図書館から借りることができました。

劇作家の神谷、若きベテラン女優の東響子、学生劇団員の巽、三人の視点で話は進んでいきます。
この三人は物語の中盤になるまで接点をもたないので、読み始めはストーリーに入り込みづらいと感じました。
ですが、演劇というのはあらゆる能力の出会いによって成り立つ総合芸術、読み終えたあとは「だからこういう書き方になるのか…」と思いました。

オーディション課題「二人の登場人物で三人の芝居」「ブランチVS影のブランチ」のくだりは圧巻。
『ガラスの仮面』における『奇跡の人』や『二人の王女』のオーディションに匹敵する迫力です。
作中の他の演目も、読んでいて「実際に観てみたい~」と思わされるものばかり。
恩田さんの多才さがうかがえます。

出会いと葛藤――、生身の人間が作る演劇のおもしろさがつまった小説です。
舞台好きの方なら一読する価値ありかと思います。
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by yagikuro-3 | 2006-08-13 22:21 |
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