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宝塚月組『エリザベート』(東京宝塚劇場)

5組目の公演な訳ですが、個性を出そうと変にあざとい工夫をせず、皆が真摯に作品・役柄に向き合っているのが伝わってくる舞台でした。

瀬奈じゅんさんが演じたエリザベートは、歴代の中で、もっとも繊細な印象を受けました。
彼女のエリザベートから感じたのは「孤独」「他者の拒絶」ではなく、「寂しさ」や「あきらめ」。
エキセントリックさが少なく、無邪気で素直な感性を持った人が抑圧ばかりの宮廷生活で精神的に押しつぶされていくという感じだったのが、新鮮でした。
正直、彼女が以前演じたスカーレットがあまり好きでなかっただけに、こんなエリザベートが観られると思ってませんでした。

エリザベートの衣装も、色合いや形が品がよくすっきりまとまっていて、繊細なエリザ像を作りに一役かっていたと思います。
特に1幕の幕切れの白いドレス、今までのものよりシンプルなデザインなのですが、エリザベートの美しさを引き立ててました。

彩輝直さんのトートも迫力と色気のバランスがよく素敵でした。

フィナーレの構成もよかった。

『エリザベート』は、雪組での初演から東宝公演までひととおり見てますが、今回の公演、私の中ではかなり上位にランキングです。
by yagikuro-3 | 2005-04-27 02:26 | 舞台
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